牧師/野口富久(Noguchi Tomihisa)

わたし「笑点」が好きです!!  

 

 日本テレビ系の長寿演芸番組「笑点」。私は、主の日の疲れた頭をくつろがせ、リフレッシュしてくれる当番組をほぼ欠かさず見ています。

 

じつは、「笑点」は牧会的に考えることが出来るのではないかと思っています。

 

というのは、第一に「笑点」というタイトルですが、これは番組開始当時ベストセラーとなっていたクリスチャン作家・三浦綾子さんの「氷点」からいただいたというのは有名な話しです。

 

第二に、キャラクターのユニークさとチームワークは、教会形成の秘訣と同じです。司会者である春風亭昇太は、お題(質問)を通してメンバーたちの楽しい斬新な答えを引き出します。それを巧みな表現でコメントし、次につなげるのは、まさに牧師の目指すところです。

 

その右隣(こちらから見て)は、三遊亭小遊三、この人は前科ネタ(もちろんキャラです)で沸かせます。続いて三遊亭円楽、お題に一番早く手を挙げ、時事ネタが見事です(残念ながら、この人は2022年亡くなりました)。さらに林家たい平、ものまねやフナッシーのパフォーマンスが得意です。その隣が林家木久扇、ぼけネタで沸かせます。そして、三遊亭好楽、この人は自虐ネタ。最後は、1月23日に新加入した桂宮治、化粧品会社のトップセールスマンから落語家に転身した変わり種です。

 

このようなキャラクターのユニークさとチームワークは見終わった時、「あ~面白かった」という思いを与えてくれます。

 

それぞれの個性を際立たせるために各人が、決まった色の着物を着ているのは、まるで戦隊もののようです。個性と色合いがピタリと合い、上手く考えたものだなぁと感心します。

 

 第三に、良い答えには座布団が与えられ、10枚たまると賞品が出るので、いつ10枚になるか見る人の気を誘います。10枚近くになると、司会者が難癖をつけ、なかなか10枚になりません。だからこそ、10枚になった時の喜びは、当人だけでなく見る者も同じ気持ちにさせられます。

 

座布団が重要なポイントなので、座布団運びの山田隆夫にもスポットライトが当たります。彼はこの仕事だけで豪邸を建てたと言われています。

 

ともあれ、どれだけ賜物を活用したかによって、報い(座布団)が与えられるのも、聖書と同じようです。主は、私たちに与えて下さった賜物を主のためにいかに有効に活用するかを注目しておられ、活用したしもべには「よくやった。良い忠実なしもべだ。おまえはわずかな物に忠実だったから、多くの物を任せよう。主人の喜びをともに喜んでくれ」(マタイ25:21)というねぎらいの言葉をかけて下さいます。