当教会の創立50周年記念に合わせて,教会の歴史を振り返っています。
今回は1991年です。
1991年といえば,教会創立20周年の年であり,これを教会の成人式に当たるものととらえ,数々の行事を行いました。
またこの年,私たちの教会の目指すべきところとイメージを表す別称を「ジョイファミリーチャーチ」と定めました。
私たちの基本理念の一つに「三つの愛」があります。それをジョイファミリーのJOYで表現しました。
J…イエス様(Jesus)の頭文字
O…私たち自身(Ourselves)の頭文字
Y…あなたたち,すなわち隣人(You)の頭文字 で,
これによって三つの愛(マタイ22:37~39)を表します。
では,ファミリーという言葉がなぜ加えられたのでしょうか。それは,ある祈祷会において,「自分たちの教会をどうとらえているのか」のイメージ調査をしたところ,「家庭的で,温かい,明るく前向き」などが圧倒的に多く,こうした前向きな神の家族としてのファミリー意識を大切にしていきたい,と考えたことによるものです。
この度、「日本家の教会ミニストリー」を正式な団体として立ち上げるこ とを決め、会報を季刊として発行することになり、第一回目のニュースレタ ーに、私の巻頭言を載せました。ご覧いただき、家の教会の働きの祝福の ためにお祈りいただければ幸いです。
以下、巻頭言をご覧下さい。
「家の教会」の目指すのは新約教会の回復
「家の教会」とは、信徒が指導者となり、信徒の家で集まる教会を言い ます。新約聖書を読んでみると、当時の教会の姿が「家の教会」であった ことを見出します。
初代教会では、信徒が牧師のように献身し、自分の家で共に集まり、牧 会したようです。「家の教会」を牧会していた信徒の良い例が、プリスカとア キラです。彼らは、パウロと同じく天幕作りの仕事をしていました。彼らのこ とをパウロはこう言っています。「キリスト・イエスにある私の同労者、プリス カとアキラによろしく伝えてください。…また彼らの家の教会によろしく伝え て下さい」(ローマ 16:3-5)。
この箇所は、プリスカとアキラの家で、この夫婦をリーダーとして「家の教 会」が行われていたことが分かります。またパウロは、コロサイの教会に手 紙を送りながら次のように言っています。「どうか、ラオディキアの兄弟たち に、またニンパと彼女の家にある教会に、よろしく伝えてください」(コロサイ 4:15)。
コロサイではニンパという姉妹の家で集まる「家の教会」があったようで す。ピレモンに手紙を書きながらパウロは言います。「キリスト・イエスの囚 人パウロと兄弟テモテから、私たちの愛する同労者ピレモンと、姉妹アッピ ア、私たちの戦友アルキポ、ならびに、あなたの家にある教会へ」(ピレモン 1:1-2)。ピレモンの家でも「家の教会」として集っていました。
このような箇所を通して初代教会の姿が分かります。各都市に教会がありました。でもそれは、家々で集まる多くの「家の教会」の集合体だったようです。
現代の「家の教会」のリーダーの一人であるチェ・ヨンギ師は言います。
「『家の教会』は、弟子たちが作っていった一時的な教会の形ではなく、イ エス様が目指されていた教会そのものであり、イエス様が願われた教会と は、家族の共同体、『家の教会』であった。」
私は、初代教会の「家の教会」は、当時会堂もなく迫害があり、落ち着 いて信仰生活を送れるような状況ではなかったので、信徒が家で集まると いうスタイルになったと思っていました。しかし、これがイエス様の望んでお られる教会の姿であると知り、感動しました。
教会の存在目的と言われる「宣教と弟子化」においても、「家の教会」 は、用いられます。日本人にとって、教会の敷居は高く、余程のことがない 限り自分から教会を訪れることはありません。ところが、信徒の家での食事 と交わりなら、グンと参加しやすくなります。そこで信頼関係を築くことが出 来れば、集いのベースにある聖書と信仰を証しすることが容易になります。
また「弟子化」という面においても、「家の教会」に集うメンバーが、互い に愛し合い、持てる賜物を発揮して、未信者に仕えることを通し、「弟子化」 が進んで行きます。
「家の教会」の目指すのは、新約教会の回復です。
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